2026年05月01日(金)

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[投稿]300年余の時を超えての縁 ~毛利元次公への思いを馳せて~

木原 陽一郎 (78)
(下松市久保市)

 今から二年半前に私は山県県新庄市を訪れた。新庄市は譜代大名に列せられた戸澤家新庄藩があったところである。1715年(正徳5年)西久米村の百姓が松一本伐採してきたことで宗家萩藩と徳山藩が対立したいわゆる万役山(まんにゃくやま)事件が起きた。

 翌1716年(享保元年)に宗家藩主毛利吉元が幕府に徳山藩主毛利元次(飛騨守)の隠居を訴えたところ二日後に幕府は「本藩への非礼」として改易(御家お取りつぶし)を言い渡した。毛利元次は弁明する間もないまま戸澤家にお預けになった。

 その史実を知る人は意外に少ない。お預けの身となった元次は1719年に徳山藩が再興されるまでの約3年余り新庄で過ごすことになったのだが、その間の詳しい生活ぶりは地元では全く知られていないといっても過言ではない。

 周南市美術博物館が徳山藩開府360年を記念して2020年に発刊した本の中に、元次が描いた毛利元次自画像「閑居四時図(かんきょしいじず)」が収録されている。火鉢の前でぽつねんと寂しげな後ろ姿が印象的で、いったいどこでどのように過ごしていたのか調べてみたいと思った。

 そこで山形県の県史資料室、図書館、新庄市の図書館、ふるさと歴史センターなどに元次に関する資料がないか問い合わせをしたが、最初は「何のことですか?」という言葉が返されまったくご存じではなかった。その後こちらから参考資料を送り、電話やメール、手紙で何度かやり取りをしたところ、2か月以上経って県立図書館から「毛利飛騨守預かりの件」という文章が載っている本が見つかったとの連絡があった。

 それは新庄藩士田口五左衛門が書いた随筆の写本をもとに大正時代に翻刻編纂した本だった。預け所の正確な場所を特定するうえで大いに役立った記述もあった。随筆を書いた田口自身が話をするのを渋っていた元次から境界のことなど粘り強く聴き出し江戸に急いで行き幕閣の老中水野忠之に説明したこと、そこで水野がようやく合点がいき「大儀」と言ったことなどが書かれていた。

 ただ、古文書を現代語に書き直したもので、人名、場所などが分かりにくい点もあったので、お礼を兼ねて二泊三日で山形に取材調査を敢行した。限られた時間に土地勘もないところを訪ね廻ることは苦労もあったが、取材先の歴史センターでは田口の書いた随筆の写本を見せて頂いた。

 現地ではいろんな方にお世話になり、ありがたかった。特に登場人物やお預所の場所を特定する際には山形県県史担当のI氏と古文書会のO氏には特定、解明するのに有益な情報を頂いた。お預所が城の外廓(そとくるわ)の中、しかも本丸から近い場所にあったことにも驚いた。

 行ったからこその新発見がいくつかあった。山形への取材を終えたあとも何かあれば思い出し、ときどき連絡を取り合っている。

 過日、O氏が私との出会いを折り込んだ随筆を送ってくれた。タイトルは「300余年の時を超えて繋がる『縁』」というものだったが、私も同じ思いだったので嬉しかった。

 徳山藩の改易・再興の話には深堀すると現代人が参考になる事柄がたくさんある。折しも今年は新庄藩初代の戸澤政盛が新庄城に入ってから400年の記念の年。埋もれかかっている「縁」が山形と山口で広がってくれればいいなと願っている。

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