2026年06月15日(月)

コラム「一言進言」

街の活力は市民と行政のタッグで

〜駅前周辺をすべて業者に丸投げ?〜

国はなんでもかんでも民間委託に走っている。専売公社などの民営化まではよかったが、国鉄の民営化では、地方の鉄道路線が数多く消滅し、過疎地に住む人たちの足を奪っていった。郵政民営化では郵便配達員の合理化が進み、世界に誇る日本の郵便事業が惨たんたる状況になった。翌日配達は不可能になり、へき地では海外並みの配達になった。臨時の配達員になって、市内の配達も誤配が続出している。うちの新聞も郵送配達分は、木曜日付けと金曜日付けが翌週月曜日にまとめて届く状況だ。

その流れの中で、周南市は国交省のモデル形成支援事業で駅前周辺の19施設の管理をすべて民間に委託するという。駐車場から、青空公園と代々木公園、若葉公園、道路も駐車場も駐輪場まで民間に任せるという。一瞬目と耳を疑った。中心市街地の活性化は、周南市にとって、再開発を含めて重要な課題だったはずだ。

10年前、徳山商工会議所を中心に周南市中心市街地活性化協議会(中活協)が設立された。いわば国の法律にのっとり設立された協議会で、中心市街地への取り組みはここで協議され、承認を得て実行に移されるものと思っていた。周南市には中心市街地整備部もあり、その担当職員と、中活協のメンバーが集い、街の再活性化について議論してきた。その中で「まちあい徳山」も設立され、地域は国の指定も受け、新しい取り組みもしていった。

中活協のワーキンググループと、市役所の職員たちとは数えきれないほど議論を重ね、いわば官民連携で動いてきた。しかし、今回の中心市街地の管理運営の民間委託の案件は、都市整備部の担当だという。それまで街の活性化で動いてきた人たちとは面識も、問題共有もできていない部署だ。もちろん中活協にこのテーマでの相談も、議論も全くなかった。

毎月1回、中心市街地とは関係ない市民が70人、80人が集まり、そこには市の職員も参加して徳山駅前周辺を掃除している。今週も駅前でマルシェが開かれる。これが民間活力だ。行政と手を携え街を元気にしようと思う市民がたくさんいることが周南市の誇りだ。

市の説明も具体的ではなく、さっぱりわからない。民間事業者の創意工夫やノウハウを生かして管理業務をしてもらうとある。どんな事業者をイメージしているのか、広告代理店なのか。公園管理を、街を元気にするノウハウを持った業者に委託するとはどんなことなのか。周南市議会では議員たちはわけがわからないからチェックも満足にできないかもしれない。行政の役割は市民と一緒になって活力を作り出すことだ。業者じゃない。どこからこんな周南市になったのか。

(中島 

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