コラム「一言進言」
いじめで不登校の悩み
〜逃げない教育委員会に〜
■5年半もかかった。2016年に起こった周南市内の高校生が自死して遺族と和解するまで。いじめが原因だと認めなかった県教委が遂に認めるまでだ。逃げて、逃げて何とかいじめを認めまいとしてきた県教委の姿は醜悪だ。責任を取りたくない症候群は今に始まったことではないが、5年半は長すぎだ。
■いじめの問題は根が深い。今の社会ではパワハラと言うが、自死するか、精神科医の診断で休職しないと表に出ることはない。学校の先生も休職者が増えているし、不登校になる子どもたちも多い。最近はフリースクールの広告まで出る時代だ。不登校の原因がすべていじめでもないが、多く存在している。
■教師は聖職者のようなイメージを持つ人が多いが、人格者としての教育を受けているわけでもない。大学を卒業したらすぐ教壇に立ち、人生経験も一般の人よりむしろ少ないかも知れない。人間はかくあるべきなどと語れるわけでもない。しかし、子どもの人格形成にかかわる場面は多い。
■先日、ある読者から子どもがいじめで不登校になった。教室内で同級生からのいじめがひどく、学校にいけない。担任の教師の前でのいじめで学校に相談したが対応がない、との訴えがあった。当社の記者が周南地区のその高校の校長に取材したが、頭を抱えるばかりで、明確な返事はなかった。その校長は「まだ他に5件の問題を抱えている」とため息をついていたと報告があった。
■先の自死について県教委から、再発防止への協定書の発表もあった。関係した教職員は命日などに各自の意志で供養祭などに参加する、記念樹を植える、いじめ問題に関連する書籍を、該当した高校に置く、などだった。また遺族の話を聞く会があれば、参加希望者は参加するともあった。
■これで県内の高校からいじめによる自死や不登校が減少するとは思えない。被害者はもちろんだが、加害者を生み出さないためには、もっとカウンセラーを増やし、様々な心の傷に対応する体制が急務だろう。カリキュラムの中にもっと時間を取って、子ども同士が話し合う時間を設けるべきだし、専門家が助言できる環境を整えないと、傷つき、傷つける子どもたちを救えまい。教師への教育もさらに徹底しなければなるまい。これからの時代を生き抜く力を身に着ける子どもであって欲しい。
(中島 進)
