コラム・エッセイ
No.7 「四月」は出発のとき
一喜一憂 藤屋侃士先日、一年ぶりに訪ねて来てくれた友人から、「今まで行った旅で、一番良かったのは?」と聞かれた。
私は迷わず、「フランクフルト」と答えた。2015年結婚50年記念ということで妻と娘2人の4人で行った旅だ。フランクフルトを拠点に、世界遺産のケルン大聖堂、日本人ドライバーのタクシーでのライン川沿いの村巡りなど、のんびりとしたペースで楽しんだ。
旅はどこに行くかも大切だが、「誰と行くかはもっと大切」と強く感じるのは、年齢のせいかもしれない。
東日本大震災の被災地にボランティアに行く機会をくださった柴田神父。長く徳山カトリック教会で司祭として活躍、若い人たちを導いてこられたが、この4月に東京のイグナチオ教会に転勤になられた。
柴田神父は、震災直後から被災地でボランティア活動をされた。
2012年末から、私も柴田神父と共に被災地でのボランティア活動に参加した。(その時のことは、2013年の「巡礼の道」の連載。インターネットのホームページに掲載中。「ふじやかんじ 巡礼の道」で検索してください)
転勤間近の柴田神父から電話があり、「岩手県大槌町にボランティアに行った時の写真が出てきたので届けたい」とのことだった。
忙しい時間の合い間を縫って我が家まで来て下さった。写真はA4判に大きく現像されたもので、私が話している様子を中心に8枚もあった。パウンドケーキを50本以上焼いて届けたこと、防府の「笑い講」は人気があったことなど話に花が咲いた。
写真の1枚は、私がマザー・テレサのことばを紹介しているものだった。
「わたしたちの
することは、
大海の
たった一滴の水に
すぎないかも
しれません。
でも、
その一滴の水が
集まって
大海となるのです」
私が大切にしていることばである。このことばを被災者の方々に届ける機会を与えて下さった柴田神父に改めて感謝したい。
柴田神父の門出を祈りたい。
マザー・テレサ「日めくりカレンダー」が我が家にあり、妻と一緒に毎日読み上げている。3月30日が、大海の一滴のメッセージだった。
自分ができることが少なくなっていることを感じる日々だが、これまでの出会いに感謝する。マザー・テレサのことばに心を馳せ、誰かのために祈ることを続けていきたい。
活動をリードしてきた柴田神父
大槌町でマザー・テレサのことばを紹介
庭の満開のチューリップ
