コラム・エッセイ
No.15 キューガーデン展の魅力
一喜一憂 藤屋侃士周南市美術博物館では「キューガーデン英国王室が愛した花々」が8月29日まで開催されている。
イギリス・ロンドン郊外にあるキューガーデン。正式名称はキュー王立植物園で、2003年に世界遺産に登録されている。植物園が世界遺産!と驚いたが、他にもシンガポール植物園があるそうで、こちらはシンガポール唯一の世界遺産となっている。
キューガーデン。面積は130ヘクタールを越える。東京ドームの25倍以上の広さで、200年以上の歴史を誇る植物園は、3万種以上の植物、700万点もの標本、30万冊以上の蔵書、20万枚にものぼる植物画を所蔵している。また、植物園内には歴史的建物も多く、キュー宮殿は英国王室最小の宮殿とのことだ。
2013年にロンドンを旅した時、キューガーデンにも行きたかった。しかし、ロンドンの中心から地下鉄で30分以上かかることや、冬でバラの季節ではなく天気が悪かったら楽しむどころではないので断念した。
ただ気持ちはあきらめきれず「キューガーデンの植物誌」という本を買い求めた。画集的な要素の強い本を期待していたが、専門的過ぎて、挿絵になっているボタニカルアートを楽しんでいた。
キューガーデンのボタニカルアートの本物を日本で鑑賞できるとは思ってもいなかった。コロナ禍においても、このような機会を提供してくださった美術博物館の方々のご尽力には、心から感謝したい。
ボタニカルアートは写真のなかった時代には重要な記録でもあった。そのため、細部まで緻密に描かれ、色も繊細で美しかった。バラ、チューリップ、時計草、極楽鳥花など、我が家に咲く花々の絵も多く展示されていて、うれしい気持ちになったのは不思議なものだ。
「植物園」と聞くと、珍しいもの、貴重なものといったイメージが先行するが、私たちの身の回りにも実は大切なものが沢山あるのだろう、ということを感じさせられた。
花と絵画。心を癒やしてくれる最強の組み合わせかもしれない。
そして、楽しみは、展覧会に合わせたグッズの買い物。ポストカード、ブックマーク、コースター、ベリーの香りの紅茶などなど。
旅先の買い物の鉄則は、次に巡り会えるかどうかわからないものなら「迷ったら買う」。この鉄則に従ってしまった。
キューガーデンの植物誌の挿絵と表紙
ロンドンで購入した王室グッズのマグカップにキュー宮殿がある(中央)
グッズの数々
