2026年10月24日(土)

コラム・エッセイ

No.16 キューガーデン展とイギリス陶磁器

一喜一憂 藤屋侃士

 8月末まで周南市美術博物館で開催された「キューガーデン展」は美しく緻密な植物画が中心だったが、もう一つの魅力は18世紀後半の陶磁器だった。

 キューガーデンの拡張と発展に寄与したのが国王ジョージ3世の妻であるシャーロット王妃で、彼女が愛したウェッジウッドや王室御用達(ロイヤル・ウォラント)のダービーやウースターの陶磁器が展示されていた。

 ロイヤルクラウンダービー、ロイヤルウースターのほうが聞き慣れた名前だ。ロイヤルウースターのロイヤルは1789年に国王ジョージ3世からイギリス陶磁器界初のロイヤル・ウォラントを授与されたことに由来する。ロイヤルクラウンダービーのクラウンは1775年にジョージ3世からの栄誉であり、こちらのロイヤルは、1890年にビクトリア女王からだそうだ。

 シャーロット王妃のお気に入りのウェッジウッド。シャーロット王妃は、日常使いのクリームウェアの食器の製作をウェッジウッドに依頼した。完成品をとても気に入った王妃は「クイーンズウェア」の名前を贈った。今回の展示された「蓋付きの深皿(クイーンズウェア)」は、柔らかい白地に緑で植物が描かれた美しい物であった。

 また、ウェッジウッドの有名な作品の一つで20世紀の終わり頃まではバックスタンプにも使われてきた「ポートランドの壷」もインパクトがあった。

 いずれも18世紀末の陶磁器だが、大切に使われてきたことを感じさせられ、時代を超えた存在感があった。良い物を長く使い、物を大切にするイギリスの文化を垣間見たようだった。

 イギリスではどこの町にもチャリティーショップがある。福祉団体、国際協力団体など様々な非営利団体がチャリティーショップを運営し、ボランティアスタッフが活躍している。人々は、自分が寄付をしたい団体のチャリティーショップに不用になった物を持ち込み、それらが売れたら寄付となる。バザーではなく、常設店舗で、ディスプレイも工夫されている。

 長女はイギリスに行くたびに「社会を知るため」と称してチャリティーショップ巡りをしており、土産物は、「年代物のイギリスの陶磁器」だったりする。

 ウェッジウッドの小物入、バラの模様の小皿、ミレニアムプレート。ロイヤルウースターの花の小皿。こんな土産物もあった。

 これら海を渡って日本まで来たチャリティーショップでの戦利品は、福祉活動などへの寄付にもなっている。

 そして、日本で行くことのできた展覧会への想いをより豊かにしてくれる。

 ガラクタが増えるのは困ったことだが、ストーリー性のある物と共に生活するのも悪くない。

1960年代後半のウェッジウッドのバックスタンプ

ウェッジウッド

ロイヤルウースター

LINEで送る
一覧に戻る
今日の紙面
ピアレックス

遺品整理でお困りではないですか?県内出張見積は無料!不動産売却や空き家じまい(解体)もお気軽にお問い合わせください。

サマンサジャパン

来院者の方へもっと目配り、気配りをしたい。物品の補充や搬送に時間を取られる・・・
サマンサジャパンでは医療従事者の方がより医療に専念できるよう、コンシェルジュ、受付、看護助手、清掃、設備など様々な業務を行っています。

周南公立大学

2024年春、周南公立大学は新学部学科を開設しました。経済経営学部(経済経営学科)、人間健康科学部(スポーツ健康科学科・看護学科・福祉学科)、情報科学部(情報科学科)の3学部5学科体制となりました。大学の活動や入試情報も随時公開中!

山田石油株式会社

ソロや友達と過ごす「おとなじかん」から、親子三世代で過ごす「かぞくじかん」も楽しめる日帰りレジャー施設「くだまつ健康パーク」。屋内で遊べる施設や岩盤浴、サウナも充実!