2026年01月29日(木)

コラム・エッセイ

No.47 農村の希望(1) 限界集落⑨ 四万十川中流の集落を訪ねて(二)

中須里山通信 形岡 瑛

 古城の集落は、高知県四万十町、旧幡多郡十川村、四万十川支流を遡った地域である。全国トップレベルの椎茸産地として知られた十川でも最大の生産地だ。

 大野晃高知大学名誉教授は、高知県の山村の現状を分析し、殆どのところが「限界集落」から消滅への過程にあることを明らかにした。(注1)それは、山村のみの問題でなく、山林、里山の荒廃が下流である平野部、都市地域の生活に影響するということだった。農山村を針葉樹が70%を超える「スギ・ヒノキの人工林型山村」と「クヌギ・ナラの雑木林型山村」に区分し、対照的な姿を浮き彫りにしている。

 人工林型山村は、戦後、国の推奨でそれまでの雑木林を伐採し、植林をして形成された。補助金で至る所にスギ・ヒノキが植えられ、高度成長によって農村人口の減少と高齢化、広葉樹の雑木林が針葉樹の人工林に変容した。耕作を止めた棚田にも植林が行われ(写真)、多くの人が村を去って行った。人工林型山村では、恒常的な現金収入をもたらす産業がなく、高齢化と過疎化、限界集落化、準限界集落化が顕著である。

 一方、クヌギ・ナラの雑木林型山村の旧十川村、古城の集落のある十和村(現在は四万十町に含まれる)では、椎茸生産のため、国の人工林化政策に抗し、森林の50%の雑木林を保っている。椎茸や炭、お茶、シシトウなどの複合的農業経営が盛んになった。人口減少が少なく、1990年時点では、限界集落はゼロとなっている。(注2)

注1=大野晃『山村環境社会学序説―現代山村の限界集落化と流域共同管理』農村文化協会、2005年
注2=前掲書p47

棚田の針葉樹林

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