2026年05月15日(金)

コラム・エッセイ

変わる徳山大学

翠流

▼徳山大学が変わり始めた。公立化を検討する中で奨学金の負担が大きいことが経営上の課題として指摘されたが、スポーツ推薦の奨学生を減らし、今年度の新入生は戦略的に定員を下回る状態にした。地域とのつながりも強化し「出前講座」を開設、企業や団体に利用を呼びかけている。学生らのまちづくりなどのボランティア活動もこれまで以上に目立つようになってきた。

▼1971年の開学から50年。県東部唯一の4年制大学として旧徳山市や企業の協力で生まれ、育ってきた大学。この50年の歴史は平たんな道ばかりではなかったが、周南地域に文化、教育、経済面でも一定の役割を果たしてきたことは否定できない。

▼新型コロナウイルスの影響で地元への進学が増えているという。都会の大学や専門学校に入学しても授業はオンラインで、友人を作ることも難しく、アルバイトもなく、遊びにいくにも制限される状態では地元で少ない費用で学んだ方がいいと考えるようになっても不思議ではない。

▼地方の過疎は都会の過密の裏返しでもある。防災、防犯、今回の感染症。人が集まるリスクは小さくない。すでに始まっていた田舎暮らしへのあこがれ、都会からの脱出傾向は加速しそうだ。

▼「大学を地域の成長エンジンに」と提唱している高田隆学長。これから企業でのインターンシップなどが本格化すれば地域と大学とのつながりはますます強くなる。改革はまだ始まったばかり。地域の大学に徹する覚悟も必要だが、公立化で多少の投資をしても、見返りは十分にある。(延安)

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