2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

大刀形埴輪の展示はどこに

翠流

▼下松市の第1ふ頭の海底清掃で玉井哲郎副市長が最近の同市の明るい話題としてあげたのが笠戸島で撮影された映画「凪の島」の封切と、天王森古墳からの西日本有数の大刀形埴輪など形象埴輪群の出土だった。

▼1500年の眠りから覚めて姿を現した埴輪は、スターピアくだまつに29日まで展示されていたが、細かな装飾も作られた当時のまま。製作の背景にはヤマト王権との関わりがあると考えられ、瀬戸内海でどんな交流があったのか、ロマンを感じさせてくれる。

▼文化財にもいずれ指定される貴重な出土品。どこに収蔵、展示されるかも気になる。市が建設する施設を複合化して展示室を整備する方法もあるが、古墳は下松市だけでなく、瀬戸内海沿いの各地にある。市境を超えて瀬戸内海の主に柳井から防府市あたりまで、周防の国の歴史を伝える県立の博物館をこの機会に建設できないものか。

▼目玉は今回の形象埴輪群や鏡など古墳からの出土品と、瀬戸内海沿いの工業地帯の歴史を伝える製品。古墳と工場地帯の共通のキーワードとして「海・港」を設定して古代から現代までの暮らしや歴史を紹介する施設だ。

▼場所は海の近く、笠戸大橋の手前当たりか。広い敷地を確保して古墳の実物大模型や、日立製作所製の新幹線車両と機関車の実物も展示すれば大きな話題となるだろう。夢のような話だが、周南3市に県立の文化施設が一つぐらいあってもいい。市を超えて取り組んでほしい。

(延安弘行)

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