コラム・エッセイ
「地域学のススメ」
翠流▼周南市の徳山小、沼城小の150周年記念事業を取材した。明治維新から間もない1872年(明治5)に学制が公布され「国民皆学」の方針のもと、全国一斉に公立の小学校が創設される。72年、73年、74年にスタートした小学校がこれから150年を迎える。
▼71年に廃藩置県、73年には徴兵制が導入される。近代日本が形成される中で学校制度も整備される。戦後の学制改革で新制中学、高校が発足し、大学の制度も変わるが、小学校は地域の教育機関として名称や学習内容を変化させながらも続く。
▼中学、高校も含め、学校が地域に果たす役割は大きい。地域の人口が減ったことを嘆く言葉の中でも「昔は高校まで地域の中にあったのに」とよく聞く。最近は長く愛されてきた高校の閉校が多く、市内でも旧都濃高、徳山北高、鹿野高の徳山高徳山北分校、鹿野分校が来春で閉じる。小学校の閉校も続く。
▼教育はもちろん産業、文化面でも、例えば須金和紙の復活は須金中の郷土学習がきっかけで「和紙絵」という新たなアートも生まれた。徳山商工高や熊毛北高では地域の企業と協力した商品開発の取り組みも続けられている。
▼大学も周南公立大に見られるように地域貢献が強調される。変わる学校教育だが、地域の一部であることは不変。徳山小では地域の未来をテーマにした発表、沼城小の150周年では郷土芸能の披露があった。閉校、統合の時代だからこそ地元のことを学ぶ「地域学」を大切にしたい。
(延安弘行)
