コラム・エッセイ
「不必要なものは持たない」
翠流▼徳山市、新南陽市、熊毛町、鹿野町の合併で周南市が誕生して20年になる。旧市町の記憶は日ごとに薄くなるが、記録はどうなのか。合併前の旧市町の人口や産業などの数字をまとめた統計書がどうなっているのか、市役所で聞いてみた。
▼同市では旧市町時代のものも含め、各部署で関係書類を管理している。統計書は統計係の担当。統計係はスマートシティ推進課にあり、数十年前の資料を探してもらった。
▼2日後、旧徳山市の統計書は1976年版から発行が始まり、それ以前は作られていないことがわかった。新南陽市は1974年版の統計書が見つかったが、毎年、発行されていたかどうかはわからなかったそうだ。
▼4年前に新庁舎が完成し、市役所に保管されていた書類は新庁舎の書庫に入った。どこに何があるか、目録のようなものも作られたが、個別の書類があるかないかは書庫を見てみないとわからないらしい。そのほか、旧鹿野町役場の鹿野総合支所や旧熊毛町役場の熊毛総合支所に保管している書類もあるという。
▼市の書類に対する基本的な方針は「不必要なものは持たない」。規程で決められている保存期間が過ぎた書類を毎年、処分している。保存の費用や手間を考えれば合理的な方法だ。そうは言っても、写真などのように永年保存の規定がなくても残したいものはある。近く鹿野総合支所が解体される。将来的には文書館の開設を望みたいが、とりあえず貴重な記録が失われないことを願うばかりだ。
(延安弘行)
