コラム・エッセイ
やまぐち大考古博
翠流▼山口県の3千年の歴史を紹介する「やまぐち大考古博」が9月3日(日)まで、山口市の県立山口博物館で開かれている。その最初に展示されているのが、下松市の天王森古墳から出土した大刀形埴輪、家形埴輪、巫女形埴輪。天王森古墳は約1500年前、古墳時代後期に築造された前方後円墳。ヤマト王権とのつながりを示すものといわれている。
▼今回の展覧会ではこれと並べて瀬戸内海沿岸にある、同様にヤマト王権とのつながりを感じさせる古墳からの出土品を展示。その中には周南市の竹島御家老屋敷古墳の銅鏡や下松市の惣ケ迫古墳の朝顔形埴輪がある。瀬戸内海沿いの周南地域が早くから注目されていたことがわかる。一方で、弥生時代の朝鮮半島とのつながりを示す下関市などからの出土品も並ぶ。
▼「古代産業の先進地、周防・長門」の展示では、美祢市の長登銅山跡や下関市の長門鋳銭所跡、周防鋳銭司跡からの出土品とともに、光市の白鵬時代の遺跡、呉町廃寺の瓦が展示されている。
▼戦国時代の遺物では、周南市の大向門前遺跡の備前甕(かめ)とその中にあった陶磁器などが、山口市の大内館跡や江戸時代の萩城跡から出土した陶磁器とともに紹介されている。
▼山口県全体の豊かな歴史と、その中での周南地域の位置づけ、弥生、古墳時代から江戸時代までの先人の営みが伝わってくる展覧会。重要文化財や県指定文化財を一堂に集めた展覧会でもある。歴史好きでなくても一度は見ておきたい。
(延安弘行)
