コラム・エッセイ
周南市の二つの俳句募集
翠流▼周南市ゆかりの文学者は少なくない。その一人が俳人、兼﨑地橙孫(1890-1957)。命日にちなむ芙蓉忌が3日、上御弓丁の句碑の前で開かれた。同時に小学生から募集している俳句コンクールの表彰式も開かれたが、応募してきた学校が今宿、須磨、秋月、高水の4校にとどまった。
▼地橙孫は祖父が徳山藩士で、終戦まで下関に住んで弁護士を開業していたが、戦後は父祖の地に徳山に住み、弁護士をしながら俳句を作り続け、気品ある「清明句」を基本にしたという。
▼郷土史家の田村悌夫さんが顕彰に尽力して顕彰会を立ち上げて句集の出版や句碑の建立に尽力し、芙蓉忌が開かれるようになった。以前は墓前で開いていたが、最近は句碑の前に会場を移し、今回は藤井律子市長や厚東和彦教育長も出席した。芙蓉忌が定着してきただけに、小学生俳句大会の参加校が少なかったことを嘆く参加者もいた。
▼同市では、大人向けに児玉源太郎顕彰会が「藤園忌」俳句を募集している。7月24日の児玉源太郎(1852-1906)の命日の藤園忌が季語になるようにと開き、今年で第7回になった。俳人として全国的に知られる坪内稔典さんと周南市出身の現代俳句協会特別顧問、宇多喜代子さん、「草炎」主宰の久行保徳さんが審査員。17日(日)に市文化会館で表彰式が開かれる。子ども向けと大人向け、2つの俳句コンクールをきっかけに、文学のまちづくりが進んでほしい。
(延安弘行)
