コラム・エッセイ
彫刻のあるまち、再び
翠流▼周南市で文化小ホールの建設構想が持ち上がっている。現在は駐車場になっている市民館跡地と徳山保健センターの敷地に国の出先機関の総合庁舎と音楽や演劇専用の小ホールを建設するという。この機会に小ホールだけでなく、彫刻など周南市の文化と歴史を伝えるモニュメントのことも考えてほしい。
▼かつて市民館前にはこの地で急逝した岸田劉生の、今は文化会館前に移された碑と市美術博物館に保管されている胸像があった。旧徳山市役所の出入り口には今は市役所駐車場の西の隅にある旧徳山町長、野村恒造氏の胸像と、徳山ゆかりの彫刻家、重岡健治氏の今は県周南総合庁舎そばに移されている母子像「伸びゆく徳山」があった。
▼小ホールの建設にあたっては、建物だけを造るのではなく、児玉公園、児玉神社を含めて文化・健康ゾーンとして市民に親しまれるように整備することが欠かせない。かつて「文化不毛の地」と言われた徳山だが、市文化会館や市美術博物館、徳山駅前図書館もできて文化都市の一面を持つようになってきた。「伸びゆく徳山」など彫刻の設置も文化都市を形成する一助になった。
▼小ホールの周辺には再び、彫刻を配置し、芝生の広場や木陰もあれば市民に喜ばれるだろう。駐車場の確保が課題になっているが、市役所駐車場の立体化も合わせて取り組めば新たなスペースを生み出せる。市民の知恵を集め、魅力いっぱいの施設を整備していきたい。
(延安弘行)
