コラム・エッセイ
【光市】大和小が開校
翠流▼3月に光市大和地区の4小学校の閉校式を取材した。式典のあと、出席していた各小学校の卒業生の中学生がパイプ椅子を自主的に、あたりまえのように片付けている姿が印象に残った。母校への愛着と、そこでの教育の成果を見た思いがした。
▼閉校した岩田、三輪、塩田、束荷小はいずれも150年前後の歴史がある。村の子どもたちが学んでいた塾が母体になったそうで、教育熱心な土地柄だったと思われる。
▼4校が一つになり大和小が開校した。川嶋あいさん作詞・作曲の校歌「光る明日へ」では、大和地区について「藤公生まれし緑のまち」と歌う。「藤公」は束荷出身の初代内閣総理大臣、伊藤博文公。束荷には伊藤公資料館とともに県指定有形文化財の「旧伊藤博文邸」がある。
▼この建物は1910年、伊藤公の遠祖、林淡路守通起の没後300年の法要のために建てられた。伊藤公はその前年、ハルビン(中国東北部)で暗殺され、完成を見ることはなかった。法要のあとは図書館として使用する考えだったという。児玉源太郎が1903年、生まれ故郷の徳山に開設した「児玉文庫」を想起させる。
▼「大和」は1943年11月3日、岩田、三輪、塩田、束荷の4村合併に際し、県内外から公募して名付けられた村名。「大きく一和」して将来の発展を期する意が込められている。伊藤公も学問の最初はこの地の塾であったという。大和小に通う伊藤公の後輩たちがどう育つのか楽しみだ。
(延安弘行)
