コラム・エッセイ
市民が主役の文化振興
翠流▼児玉源太郎顕彰会の山下武右会長が会誌「藤園」に寄せた「顕彰会誕生までのいきさつ」に顕彰会の初代会長、小川亮元徳山市長が登場していて懐かしくなった。市長を20年間続けた小川氏は旧制徳山中学校から第一高等学校、東京大学を卒業して自治省に入った。
▼徳島県や新潟県の部長のあと1975年から4年間、岡山県の副知事。79年に請われて徳山市長選に出馬した。地方自治に精通し、ふるさとへの熱い思いとともに、政策遂行能力や先見性は誰しもが認めるところだった。
▼その就任間もないころの仕事の一つが82年に完成した市文化会館の建設とその運営にあたる市文化振興財団の創設。理事長は市長だったが「公設民営」の先駆けでもある。
▼著書「銀杏並木の散歩道」の同財団の発足についてつづった文章に「文化の振興を図るには、個人の自発性、創造性によるところが大きく、市民の皆さん一人ひとりの自主的な努力にまたなければなりません」とある。
▼その市民の活動の拠点となるのが文化会館。「文化会館は文化を思う市民の皆さんの総意の結集ともいえる」、「この会館建設に寄せられました市民の皆さんの積極的な温かい美しい心を長く後世に伝えたい」ともある。
▼今回、財団の理事長が市長から民間出身の平岡英雄さんに交替した。文化会館もデジタルの時代にふさわしい施設へ、大規模な改修が計画されている。文化振興の主役は市民。この機に市民の活動をより活発にしたい。
(延安弘行)
