コラム・エッセイ
「過去から未来へ」
翠流▼光市文化センター2階で9月28日まで開かれている戦後80年記念企画展「過去から未来へ~平和への架け橋」。まず目に入ってくるのは「人間魚雷」と呼ばれた特攻兵器「回天」の頭部だ。訓練用ではなく、実戦用。終戦直後、虹ケ浜に埋められたが、戦後、掘り出された。
▼回天の全長は14・75メートル、直径は1メートル。頭部には1.55トンの爆薬が詰め込まれていた。中央に搭乗員が乗り込む部屋、後部に推進装置があった。水中を数十キロ進み、敵艦に体当たりする。頭部の黒光りする姿が不気味だ。
▼この回天の頭部や水道管、工場の配置図などは光海軍工廠関係資料群として昨年、光市の文化財に指定された。今回の企画展はこの資料を展示している。
▼それだけにとどまらず、当時の軍服や軍刀、身近な道具類、写真や光井国民学校の終戦前後の日誌、周南市の音羽キミさんの戦争にまつわる手記や絵画も展示している。そこからは当時を生きた人たちの姿が浮かび上がってくる。市民から寄せられた平和のメッセージのコーナーもある。
▼周南市も「戦後80年想いをつなぐ、未来へ。昭和100年これからの周南」を展開している。光市の企画展のパンフレットにはこの事業や、やはり回天基地があった平生町の阿多田交流館で8月8日(金)から9月21日(日)まで開かれている特別展の記載がある。周南市も7月下旬からだが、ホームページやチラシに光市、平生町の事業の記載を始めた。平和への想いは同じ。輪が広がってほしいと思う。
(延安弘行)
