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経済 : 下松市のニュース
輝くものづくり基盤築く 久原房之助のまち交流フェア
経済下松市山口県下松市の「ものづくりのまち」の基礎を築いた実業家、久原房之助(1869―1965)の不朽の偉業をたたえる「久原房之助(くはら ふさのすけ)のまち交流フェア」(新周南新聞社など協力)が3日から8日まで下松タウンセンターで開かれた。5日には「ものづくりミニミニサミット」がスターピアくだまつ展示ホールで開かれ、久原が下松同様に発展の礎を築いた茨城県日立市、秋田県小坂町のまちづくり関係者らの話を約100人が聞いた。
久原は明治期から昭和期にかけて活躍し、政治家として衆院議員や逓信大臣も務めた。現在の日立製作所笠戸事業所の誘致や下松工高の設立に貢献し、現在の下松市の発展につながっている。フェアはこうした久原の偉業にスポットを当てようと市の第三セクターの下松商業開発(金織平浩社長)が主催した。
サミットでは国井益雄市長が「100年前に下松を舞台に久原翁が構想した“ものづくりのまち”は、今や実現しているのではないか。日立市や小坂町のお話もうかがい、さらなる未来の展望に向けて一緒に学びましょう」とあいさつした。
日立市は人口約17万人で、久原が買収した日立銅山が源流の日立製作所の創業の地として知られる。小坂町は人口約4,600人で、十和田湖に面し、久原が手がけた東洋一の銅を産出する小坂鉱山で栄えた。
サミットのコーディネーターは市立図書館の長弘純子館長。小坂町の小坂まちづくり㈱の高橋竹見取締役相談役は銅山時代の近代化遺産が残る「明治百年通り」を紹介▽日立市の認定NPO法人・共楽館を考える集いの大畑美智子副代表幹事は日立銅山を日本4大銅山に発展させ、労働者の福利厚生も従事させた久原の功績を紹介した。
下松地方史研究会の田村悌夫名誉会長は「下松工業学校の開校こそ久原の最大の功績」と紹介した。久原の寄付で開校した下松工業学校(現下松工高)は、100年間にわたって技術者を輩出して下松市のものづくり産業の隆盛を支えてきた。
サミットには下松商工会議所の弘中伸寛会頭や、市観光協会の弘中佑児会長、下松工高の大田真一校長らも訪れた。金織社長は「来年で下松タウンセンターは30周年になる。日立市、小坂町、下松市の連携をさらに強め、久原の偉業から未来を展望し続けたい」と話していた。