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政治 : 光市のニュース
【光市】JRと協議難航で合併特例債使えず 光駅拠点整備事業
政治光市建設部長「JRが一方的」「非常に難航」と苦言
山口県光市のJR光駅に南北自由通路や南口、北口両広場を市が整備する「光駅拠点整備基本計画」が、市とJR西日本の協議が難航しているため合併特例債の適用に間に合わないことが確実になり、市は財源の再検討を迫られている。酒向教夫建設部長は「現状を打開できる方策を見出せるように力を尽くしたい」と話している。(山上達也)
概算事業費は30〜40億円
8日の市議会一般質問で同計画の進ちょく状況を尋ねた萬谷竹彦議員(こう志会)への答弁で、酒向部長が明らかにした。
現在の同駅の駅舎は1983年に完成。駅舎は南口だけにあり、人口の多い虹ケ丘団地に面した北側にも改札口の新設を求める声が強い。そこで市はJR山陽本線をまたぐ南北自由通路を建設し、北口にも改札口を設ける同計画を進めている。
基本計画によると同計画の概算事業費は30億円〜40億円を見積もる。財源は国庫補助金の社会資本整備総合交付金や、合併特例債の活用を想定する。
市はこれまでに、駅前広場は南口、北口ともにバス事業者やタクシー事業者との協議を終え、県公安委員会とも交差点の協議を終了した。南口に接続する国道188号の道路管理者の国土交通省との協議も整ったという。
「JRとの調整に非常に時間を要している」
しかしJR西日本との協議だけは難航している。酒向部長は答弁で「協議は非常に難航している」と述べ“非常に”という形容詞をつける異例の表現で答弁をした。
南北自由通路は鉄道事業地に建設し、市が管理することになる。これに伴って駅舎や多くの鉄道施設に整備、移転、再整備の必要が生じ、調整事項も多岐にわたる。
酒向部長は「このため鉄道事業者(JR西日本)からは鉄道事業の安全面や効率性、他の駅との整合性を理由に数多くの指摘や要求があり、中には少し一方的ではないかと感じるものも少なくない」と語気を強めた。
さらに「コロナ禍で鉄道事業者の経営状況が厳しくなっていることもあるためか、費用負担の考え方にかい離があり、調整に非常に時間を要している」と答えた。ここでも“一方的”や“非常に”の形容詞を使う異例の答弁を展開した。
JR側に問われる自治体への姿勢
このため今年度中に予定していた都市計画決定の手続きにいまだ着手できず、今後もさらに時間を要するという。概算事業費も鉄道事業者から数多くの要求があるといい、設計段階の地質調査や現地調査の結果の反映、資材価格の高騰で概算要求額の大幅な増加が予想され、財政的に大変厳しいという。
萬谷議員は再質問で財源として想定している合併特例債の適用期限に事業開始が間に合うのかをただし、酒向部長は「2024年度までに整備を完了することが合併特例債適用の期限であり、現時点では適用は困難と言わざるを得ない」と考えを明らかにした。
地方自治体がJR西日本を相手にした交渉では、JR側が設定する高いハードルに自治体側が悩まされるケースが多い。このケースもその例にもれないといえ、JR側の姿勢が問われている。
