2022年08月08日(月)

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政治 : 下松市のニュース

修理完了まで4年間利用中止に 下松市温水プール・アクアピアこいじ 「廃止の考えない」答弁微妙に変化

  • プール室の利用休止の表示

  • 劣化した構造体(下松市提供)

 天井からサビの塊が落ちるなど構造体の劣化で昨年5月からプール部分の利用中止が続いている山口県下松市河内の市温水プール・アクアピアこいじ(花田一郎所長)について市は、改修工事終了まで最長4年が見込まれる見解を明らかにした。しかし利用者571人から市議会に提出されている同プールの早期利用再開を求める請願が審議された12日の市議会総務教育委員会(金藤哲夫委員長、7人)で、市側は昨年12月定例会での「廃止の考えはない」の答弁から一歩後退の印象を与える見解を示した。今後の行方が注目されている。(山上達也)

塩素の水蒸気で構造体が劣化

 同プールは1996年10月、隣のごみ焼却施設「恋路クリーンセンター」の余熱を生かす形でオープンした。恋路クリーンセンターは下松市、周南市、光市の一部事務組合の周南地区衛生施設組合(組合長・国井益雄下松市長)が運営しており、同プールは恋路クリーンセンターの地元対策施設として同組合が建設し、完成後に下松市に譲渡した。

 下松市は同プールの指定管理者に市施設管理公社(倉掛敏春理事長)を指定。このたびのサビの塊の落下で、市は専門業者に同プールの改修計画の策定に向けた調査を委託し、11月30日に報告書が提出された。

 それによると梁(はり)や外観、設備、屋根を目視や超音波、ドローンで調査したところ、メーンフレームを残した上で屋根や二次部材を解体して、必要な部材を更新する必要が確認されたという。

 塩素の水蒸気が劣化の原因とみられ、市は12月27日、市ホームページで同様の内容を公表。さらに塩素を含む水蒸気による結露の防止のため、換気方法の変更も検討する必要があるとしている。

 このため市は、大規模改修には改修計画の策定から設計、工事に4年ていどが見込まれると判断した。

地域政策部長「廃止しないと言い切れるように…」

 12日の市議会総務教育委員会には「下松市温水プールの早期の利用再開を求める請願」の請願者代表の下村清一さん(72)=下谷=▽小松美子さん(74)=潮音町=▽請願の紹介議員の渡辺敏之議員(日本共産党)が出席して、請願の趣旨を説明した。

 下村さんは「利用料が安くて健康づくりの元になるプールこそ住みよい下松の基本」▽小松さんは「このプールで健康が維持できてきた。一日も早い利用再開を」と訴えた。

 続いて同委員会の要請で原田幸雄地域政策部長、桑島洋明地域交流課長、同課の中村一雄スポーツ観光交流係長ら担当職員が同委員会に出席し、同プールの現状を説明した。

 副議長の近藤康夫議員(政友会)が「絶対に(プールを)廃止はしないと言い切れるか」とただしたのに対し、原田部長は「計画に沿って状況を確認しながら、廃止しないと言い切れるように計画を策定していきたい」と言葉を選びながら、慎重な言い回しで答えていた。

 田上茂好議員(日本共産党)が「議員全員を対象に行政説明会を開いてほしい」と求めたのには、原田部長は「日程を調整し、前向きに検討する」と答えた。金藤委員長も「中村隆征議長と協議し、議員全員が情報を共有できるように開催を求めていく」と述べた。

 この問題は市民の関心も高く、4月3日(日)告示、10日(日)投票の市議選(定数20)の争点に浮上する可能性がある。

 なお同プールはプール室のみが使用中止。浴室▽トレーニング室▽スタジオ▽多目的ルームは通常営業中を続けている。問い合わせは同プール(0833-41-6200)▽市地域交流課(0833-45-1820)へ。