一言進言

18歳で国家体制を決める役割

~制服姿の成人式はどうなる?~

若者に限ったわけではないが、政治に関心を持たない人が増えた。先日の防府市長選挙も投票率46・68%と低調だった。市を二分する市長選でこの低さはどうだろうか。直接生活に直結する地方自治体の選挙とは思えない。年代別の投票数はわからないが、18歳から20歳までの若者たちは、おそらくもっと低かっただろう。
18歳からを成人とする民法改正案が今国会に提案され、衆議院で可決された。成立すれば2022年4月1日の施行という。各地の成人式も開催が問題になっている。受験生が対象に入り、式典どころではない。そもそもなぜ18歳を成人扱いにしたのか。選挙権だけでなく、ローンの契約など、多くの権利も与えることになる。高校生たちが権利を求めたわけではない。
高校では政治活動は禁止されている。なのに選挙権は与えると言う。学生運動が盛んな時、反戦高校生たちがヘルメットをかぶってデモをしていた。退学になる高校生がいた。学外でのデモ参加などは自由になるのだろうか。成人の定義を少々変えるのだろうか。稚拙な法律制定としか思えない。考え方が固まっていない。
酒やタバコはだめだ。18歳から働く若者は多い。社会人として納税もしているのに、会社の宴会に参加してもお酒はだめだ。成人式では「大人として責任を持てる人間として生きていきます」と宣言する。大人として、罪を犯しても平等に扱われる。容疑者として名前も公表される。
万引きしても、大人は名前が記事に出る。高校生で万引きして世間に公表されたら、その後の人生にどう影響するのだろうか。少年法という枠の中で守られていた犯罪の扱いも難しくなる。国家の体制を決める権利を与えるなら、義務も大人と同様に扱うべきなのか。ほとんどの子どもが高校に行く時代で、整理がつかないまま法案が通る。
一方で、大人の自覚のない人も目立っている。平気でうそを言い、公文書を勝手に書き換える人もいる。学生に犯罪もどきのことをさせる大人もいる。18歳に大人の自覚をと語ることのできる大人はどれだけいるのだろうか。高校の制服を着た若者が、これからは成人式で、成人の誓いを述べるのだろうか。彼ら、彼女らに大人の自覚を持ちなさいと言える社会を目指すのが、今の大人たちの義務だ。まずは義務を果たす努力をしよう。(中島 進)

欧米化進む大企業

~地域との関係希薄にならないか~

グローバル化の波は地方にも押し寄せ、いろんな面で体験するようになった。郊外に大手資本の店が乱立、小売業への影響はすさまじく、街中から店は消え、地域の商業地図は大きく塗り替えられた。電気店、ドラッグストアなど大手資本の進出で、地元店の多くは傘下に入ったり、買収や廃業を余儀なくされた。
大企業も大きく様変わりしてきた。創業200年を超す武田薬品工業の社長はフランス人。最近は外国の製薬会社買収で7兆円という話題で盛り上がっている。株価は6千円台から4千円台へと急落した。それより、光工場と地域との関係などは二の次という感じが強くなった。グローバル企業に光市の存在など目に入らないだろう。もはや日本の会社ではない。
日新製鋼は新日鉄住金の子会社となり、徳山鉄板からの歴史に終わりを告げようとしている。出光興産も上場の末、昭和シェルとの合併話で注目され、グローバルな会社に変身を遂げようとしている。外国資本に対抗した民族資本としての立場も消滅しようとしている。徳山が製油所発祥の地というのは死語になるかもしれない。東洋鋼鈑は来年4月、東洋製罐の完全子会社になる。
会社の歴史が消えることにちゅうちょしなくなった。世界経済の流れではあるが、社風も大きく変化する。出光の家族主義は日本的な伝統を残す貴重な存在だった。あれだけの会社で労働組合もないのは珍しかったが、今後は変わるかもしれない。多くの会社が欧米の合理主義に走りだした。中国資本の攻勢もすさまじい。いったい企業理念はどこに向かうのか。
何より心配なのが、地域とのつながりだ。歴史を捨て去るのと並行して、地域との関係が希薄にならないか、いや、すでに希薄になりつつあるのが気掛かりだ。どの企業も地域社会への貢献を大きく掲げていたが、世界に目を向けている企業に、地域社会の動向は取るに足らない事象として受け止められていないか心配だ。一部の企業は寄付金などの減額が始まっている。
企業からの市議会議員も激減してきた。地方政治への関心もグローバル化が理由かはわからないが、大きく減少してきた感じもする。投票率の低下に関係しているかも知れない。
企業城下町として発展してきた周南地区で、企業のグローバル化は確実に変化をもたらしている。各自治体も地場企業の育成にもっと力を入れないと、一気に空洞化が進む危険を抱えるかもしれない。難題だ。(中島 進)

高校がなくなる!

~無関心な自治体、政治家~

周南でも各市で市立幼稚園の統廃合が進むなど少子化の波は止まることを知らない。一昨年、県は高校の再配備計画を発表、高校関係者に衝撃が走った。対象になった12校のうち周南地域は熊毛北、華陵、南陽工、そしてすでに地元での説明会も終えた光丘の4校。分校も募集停止の対象に入っている。徳山の徳山北分校と鹿野分校だ。
中山間地区の小中学校はすでに統廃合され、人口減少は加速度を増した。それでも若者定住をと自治体は躍起になって移住者を募る。農業者は特に手厚く支援し、移住促進を図っている。学校はなくして、子育て世代を募る。数人の子どものために学校は運営できないと言うのなら、若者に移住を勧めるのはやめた方がいい。
親にとってその地域に子どもを行かせたい学校があるかどうかは大きな問題だ。通学圏内に選択肢が多いところを生活の根城にしたいと思うのは自然だ。高校は子どもの将来に関わる重要なポイントだ。進学か、就職かの別れ道でもある。
今回の高校統廃合が示されて一番驚いたのは、大人たちの無関心さだ。特に行政、政治家の無反応にはあきれてしまった。2年前、周南3市の市長の座談会で、市川光市長が地域として取り組もうと呼びかけたが、その後全く動きはない。県の仕事だが、対象は地域の子どもたちの将来だ。市議会も何ら反応がない。県議会議員も動かない。一体どういうことだろうか。
今年から全国的に高校生がどんと減少していく。いわゆる18年問題だ。いかに若者たちを地元に残していくか、今までとは違った取り組みをすべき時だ。高校の数も合理的に考えると減らすべきだろう。一方、高校教育の有り様を考え直すチャンスでもある。地域には、今後、深刻な人手不足が待っている。解消に向けて、高校の統廃合は最大のチャンスだ。どんな教育を求められているか、地域のニーズに合ったきめ細かさが必要だ。医療、福祉関係は、サービス業関連ではどうか。いくらでもニーズはある。
県は総花的な施策しかできない。各地域の自治体が、もっと細かい要望を出し、それを各地域の県議がつないでいくことが肝要だ。市議会も県の事業だからと敬遠せず、もっと論議して要望をまとめる作業が必要だ。今からでも遅くない。高校統廃合を機に、新しい、地域にあった高校教育とはどんなものか、知恵を出し合おう。これからの地域を担う若者たちのために。(中島 進)

耐えられない!真夏のくみ取り式トイレ

~大人たちの感性を磨こう~
20年前、中国を旅して何が困ったかと言えば、トイレ事情だった。扉がないとか、水が出ないとか、とにかく難儀した。においは尋常ではなく、鼻をつまんでしゃがんだ思い出は消えない。旅のトイレは特に印象に残る。全国に広がった道の駅はトイレを提供することから始まった。
13日の本紙で周南地区のJRの駅のトイレをレポートした。驚くことに周南市の櫛ケ浜駅のトイレだけ、いまだにくみ取り式だった。同駅は日常も通学や通勤で利用者が多いが、とりわけ、土、日曜にはキリンビバレッジ周南総合スポーツセンターを目指して学生たちや一般も多くの人が利用する。この時代、くみ取り式のトイレは、かなりの過疎地にでも行かないと経験できない。
我が社も同じ櫛浜地区に事務所を構える。下水道網は完備された地域だ。徳山駅ビルのトイレもトイレットペーパーがないと、何度も書いてようやく実現した。JRの不親切さは今さらながらで、聞く耳などないのはわかっている。下松市はすべて市が管理して水洗、洋式にした。JRが管理している駅は、徳山駅を除いてすべて和式だ。
中高生の利用が圧倒的に多いと思われる同駅のトイレ問題は、単に管理がどうのという問題ではない。大人たちの思いやりの問題だ。愛する故郷で、いつも利用するトイレがくみ取り式のままで、子どもたちは超豪華な新庁舎をどう感じるか。おしゃれな駅ビルを見てどう思うか。感性の鈍さにがっかりする。100億、200億円かけるが、その1%でもあれば十分だ。いや、1%もいらない。せめて水洗にできる。
トイレはよそからきた子どもたちが使うことも多い。スポーツで多くの中高生を集める施設がせっかくあるのに、その入り口のトイレがくみ取り式では、イメージガタ落ちは間違いない。若者流出が激しいが、大人たちの感覚の鈍さは、歯止めをかけるどころではない。行政の本来の目的は市民が快適に暮らせる空間を作ることだ。
市長はじめ、市幹部は真夏のくみ取り式トイレを経験してみればいい。下から上がるにおいの強烈さは、昔さんざん経験したからわかる。もっとも、JRに一番の責任はある。でも、金もうけに突っ走るJRに期待はできない。大人たちよ、もう一度くみ取り式を利用している子どもたちを頭に浮かばせよう。ぽっちゃんトイレを。(中島 進)

運転手はもういらない

~IT、AIに席巻される世の中に~

以前、周南市が電子決済を進めると言うので猛反対したことがあった。役所は印鑑社会だ。1枚の書類に、係長、課長、次長、部長と印鑑を集めるのが職員の仕事だった。それをパソコンの画面上ですべてすまそうと言う。実に効率的で、合理的な方法だと言われた。確かにそうだ。早いし、無駄がなくなる。だが、私は猛反対した。
今、周南市は千数百人の大所帯。異動も頻繁にされ、部下と上司、同僚などとの関係が希薄になった。確かに印鑑書類は非合理的だが、そうでもしないと、部下の顔色を見て健康状態や、精神状態を察することもできない。書類以上のことが聞けない。パソコンの画面上のやり取りだけでことを進める怖さは、想像するに、人間性を捨てるようなものだ。
先輩経営者が最近、AI(人工知能)に関する本を十数冊読んだと話していた。これからの世の中がどう変化するのか、今までの常識を覆すような時代の到来も意外に近いかもしれないと予測する。AIでの自動運転の車が初めて人間を死亡させたと聞いた。公道での実験でだ。ある会社は、面接でAIを使っているらしい。採用かどうかの判断を人工知能にまかせるそうだ。チェスも人工知能が世界一だ。
ITで世界が急速に変わった。アメリカの大統領選挙は膨大な個人情報が勝負を左右するようになった。一体この先、どんな世界になるのか。手塚治虫が描いた未来は、はや現実になった。ホテルの受付もロボットがやる時代、どこまで人間は疎外されていくのか。自動運転の車が一般的になるのも数年後かも知れない。
科学の進化は人々を幸せにするためと信じていたら、一部企業の金もうけのためだったと気づいたのは学生時代だった。学生運動の原点はそこだった。金持ちは昔ながらの材料で食事し、貧乏人は添加物だらけの廉価な食料しか食べられなかった。これからの時代はそれがもっと激しくなりそうだ。あらゆる分野で人工知能が使われるだろう。自動運転が最たるものだ。世界中から運転手と言う職業が奪われる。対面式の販売から、ネット販売に移行したのも、わずか数年だ。10年そこそこで多くの公衆電話が消滅した。
時代の流れと言ってしまえばそれまでだが、これからの若者たちが心配だ。IT、AIがらみの一部企業が世界を席巻、ほとんどの凡人は右往左往するような世界にならねばいい。今の若者たちはネット社会に翻弄され、化け物のようなものに支配されつつある。
規制せよとの声も出始めたが、金もうけの渦の中では勝てはしまい。新聞など読まなくても生活はできる。ネットで調べればすむと思っている。情報の正しさが問題でなくなった。せめてネット上でちゃんとした新聞を、本を、読んでほしいものだ。感性を磨いてほしいものだ。
面接官の感性すら信用しない時代だが、人間の見る目や、聞く耳を大切にしてほしいものだ。新聞を発行し続けることも難しい時代だが、こういう時代だからこそ、新聞は必要になる。(中島 進)

下松市議選も高齢化

~人材育成に取り組もう~
9回裏2死からの逆転ホームランのように選挙戦になった。人口5万7千人超の下松市で、直前まで市議会議員選挙の無投票が確実視されていた。地方自治への関心が薄くなってはきているが、これほど低調なのも珍しい。4年前もぎりぎりで定数を超える候補者が出現、無投票が避けられた。市民の間から定数を減らせの声が上がるのも無理はない。
なぜ議員になろうとする人が少ないのか。報酬が安く、生活するのが困難だとの声もある。市政が安定していて、論争するテーマがないともいわれるが、論点はいくらでもある。道路行政も一部に偏っていてまだ不十分だし、子育て環境も十分とは言えない。議会が行政の監視役としての役割をしっかり果たしているか。あまりにも与党的になってはいないか。
今回の候補者で一番若いのが47歳だ。せめて30歳台が1人、2人いてもおかしくない。若者がこれほど地方に関心を持てない時代なのか。青年会議所や商工会議所青年部など、地域に関わる活動をしている若者は少なくない。郷土愛もまだまだ廃れていない。ここは一度、行政と議会が一緒に、若者への政治参加をどうしたら増やすことができるか、真剣に考える時だろう。県議会議員も含めてだ。
市議会議員は団体や地域、企業を背景に持つ人が多い。しかし、世代を代表している側面もある。若い世代を背負う議員が1人もいないのは不幸だ。若者対策を年寄りたちが議論しても、良い結果が出るとは思えない。下松市だけの問題ではない。投票率の低下など、地方の危機的側面でもある。新聞など読まないとか、ネット社会になって、地域に目を向けない。足元の事柄に無関心な若者の対策は急務だ。
ひと昔前は各地に青年団があって、地域のことを勉強し、活動して若者が政治家になった。河村和登元周南市長や故藤井真県議など、地方を担った青年団出身者が多かった。選管による青年法政大学という勉強会もあった。
青年団が姿を消したのはいつだったか。コミュニティー組織はできたが、若者が少なくなって育てる環境がなくなった。官民あげて若者を育てる組織ができないものか。人材育成は地方の根幹を作る。(中島 進)

効果抜群なのか?

「しゅうニャン市」キャンペーン継続
若手芸人たちは名前を売るために何でもする。熱湯に飛び込むし、危険もいとわない。必死だ。多少売れても次々に新人が出る。勝ち残る芸人は一握りだ。それなりの芸を持ってないと生き残れない。鍛えられた芸がいる。
特産品もそうだ。全国に数100万種類はある。その中でブランド化され、恒常的に人気のある商品は数少ない。近くでは宮島のもみじまんじゅう、大分の鶏の空揚げ、博多の辛子明太子など、工夫を重ね、永年培った味と信用は1、2年でできるものではない。ちょっとしたことで有名になってもすぐ忘れられる。
「しゅうニャン市」キャンペーンにまた予算がついた。結局、市職員の人件費も加算すると、7千万円か8千万円か、いや、もっとかもしれない。少し認知度が上がったそうだ。実にうれしいことだ。周南市に住んで良かった。全国に名前が知られ、子どもたちも胸を張って生きていける。鹿児島に行っても、北海道に行っても、周南市から来ましたと言えば、「えーっ!あのしゅうニャン市からですか」と言ってもらえる。
3年間限定ではすぐ忘れられる。どうせなら恒久的にキャンペーンを続けていけばいい。全国の市町村があの手この手で知名度をアップさせる競争をしている。ゆるキャラ競争も激しい。カーリングで北見市は一躍有名になり、特産品も飛ぶように売れているそうだ。
「しゅうニャン市」キャンペーンは、ふるさと納税を増やすのが目的の一つらしい。ならば、もっと徹底的にお金をかければよい。そんなに効果的な事業ならだ。思いつきならとんでもないことだ。
シティープロモーションという実態がわからない言葉が一人歩きしている。市名をブランド化するのか、市の何を売るためのプロモーションなのか。市職員は皆、理解しているのか。予算を難なく通した市議会議員の皆さんは当然よく理解してのことだろう。1億円近いお金を費やす企画がいかにも簡単に通過した。きっと見合った効果を良しと考えているのだろう。立派な議員の皆さんが、まさか税金の無駄遣いなど許可するわけはない。
先日、徳山駅のホームで小学生の女の子が看板を見て、「あっ!しゅうにゃんしだ!」と指差して笑っていた。父親らしき人は、まぁという顔をして、急いで子どもの手を引いて去って行った。ある転勤族の証券マンが、真顔で「周南市はしゅうにゃんしと読むんですか」と聞いてきた。確かに効果はある。もう一度市職員に聞こう。「周南市の誇れるものは何ですか」。(中島 進)

劣化した大人たち

~児玉源太郎ならどう言うか~
近ごろの政治の劣化を子どもたちはどう感じているのだろうか。大の大人たちが都合の悪いことは隠し、隠した人が出世して、ばれても悪びれる風でもない。製造業でも、流れるニュースは大人たちが深々と頭を下げ、隠していてごめんと言っている。指導する立場の偉い人たちが、自分を守るために平気でうそをつく。そんな大人たちを子どもはどう見るのだろうか。
立法府と行政府が一体になってうそを作る。教科書には、日本は三権分立の民主国家だと書いてある。あれはうそなのか。うそを教えているのか。国を守る大人たちが、集団でうそをつく。それでもいいじゃないかと、大人たちは平気な顔だ。国会議員や官僚たちが教壇に立つなら、何を子どもたちに教えるのだろうか。しっかり勉強して、立派な大人になるんだよと、言って聞かせるのだろうか。
大人たちが劣化している。立場を守るために政治家も企業人も何か欠けてきた。考えの違いはあって当然だし、対立を躊躇(ちゅうちょ)することはない。しかし、ごまかしはいけない。東大出の超エリートたちが記憶にないとうそぶく。担当したノンキャリアの職員を自殺にまで追い詰めても、知らないと言う。国を守る気概や、良い国を作りたいという思いなど、微塵(みじん)も感じられない。しかも厚労省、その前は文科省、防衛省などあらゆる省庁で不祥事が続出している。
超エリート集団と言われる官僚たちの姑息な振る舞いに貧しい心根を感じて、ある種、可哀そうになってくる。劣化した政治家たちの言動に振りまわされ、プライドもかなぐり捨てたのだろうか。劣化の代表作がカジノ法案だ。安倍総理は日本の伝統と文化を守ると宣言、教育基本法まで改正した。和食が世界遺産に認定されるなど、生活習慣を含め日本文化が世界に誇れるものと期待した。しかし、カジノで人を集めることに躍起になっている国会議員たちを見ると愕然(がくぜん)とする。国を挙げてカジノ建設に走る国家に将来像は見えない。
なぜこんな国になったのだろうか。立派な大人になぜなれない。児玉源太郎顕彰会の西崎博史さんから3月2日の日経新聞のコピーが送られてきた。「児玉源太郎に学ぶ」と題したコラム「大機小機」だ。児玉が唱えた「立憲主義の立場から~」など三つの事柄について書かれ、実に先見性と、見識の高さを的確にとらえていて素晴らしかった。
詳細は後日にするが、山県有朋らの権力の恣意(しい)的な拡張に反対し、天皇に上奏する前に閣議でのしっかりした議論をと訴えたとある。チェック機能、抑止力を持とうとした。軍部の独走を止めた児玉だからできたことだ。もし、児玉源太郎が生きて、今の国家運営を見ていたら、なんと言うだろうか。( 中島 進)

民への委託を進めよ

~職員減に本気に取り組め~

観光協会は、周南市では民営化されて周南観光コンベンション協会に、光、下松市は観光協会として公営で運営されている。周南市は春に開かれてきた花☆ワインまんま市場を今年からやめることにした。その前には昔から市が開いていたのんた祭をやめた。民営化したからできた決断だ。
周南観光コンベンション協会は観光案内所の運営に補助金は受けるが、土産品を売ったり、回天関係の商品を開発して、その販売利益などで運営している。花☆ワインものんた祭も設営費などの補助金は出ていたが、ほとんどボランティアによるもので、人件費をお金に換算すると莫大な額で成り立っていた。
周南市にはコンベンション協会が今までの観光課の事業を担っているので、再三、担当職員を減らしてくださいと進言してきた。しかし従来のまま、高給取りの職員を配置している。1人平均700万円の市職員に対し、同じ事業をするコンベンション協会への補助金はそれ以下だ。収益をあげることで数人の職員を抱え、あれだけの事業を展開している。最近は旅行業の資格を取り、免税店の許可も受けた。
新駅ビルはできたが、協会は中に入ることもできず。運営を委託されたカルチュア・コンビニエンス・クラブは駅ビル内に土産物屋まで開店するという。市民が力を合わせてお金を集めて民営化し、まちのポートという周南地区の土産品を扱う店まで作ったのにだ。平和の島プロジェクトを立ち上げ、回天グッズを開発、県内各地を回り、販売拠点を作ってきたのも、みんなボランティアだ。活動しているのは、周南地区のそれなりの会社経営者たちで、学校の先生もいる。
補助金を使い過ぎだと言う勘違い議員もいる。そのためにも市議会では市の職員を減らし、これだけ経費を減額したから、決して補助金は多額ではなく、むしろ大幅に経費が減ったと答弁してほしかった。昨年秋、新たに駅南と街中を結ぶ「周南みなとまつり
ミナトのミーツ」を始めた。みなみ銀座の地酒横丁も大盛況だった。そこに市職員の関与は皆無に近かった。ボランティア活動の協会メンバーに拍手だ。
周南市には、市が作ったふるさと振興財団がある。文化会館前にふるさと産品を扱うこあを運営して特産品開発などしていたが、昨年で店を閉じ、コミュニティー推進に力を入れている。完全な官営組織だ。役所がすべきこととの線引きがわからない。民間組織の強いところは、自分たちがしたいことをするから熱気が違う。地域を元気にしたい思いだけが支えだ。
行政がしていることで、民間に委託すればより効果的で、市民も喜ぶことはいっぱいある。行政改革は遅々として進まない。一番は職員数を極力減らすことだ。100万円の広告を集めるのに、数百万円の人件費を使っていないか。徹底的に業務の見直しをすれば、職員減員はまだまだ可能だ。スポーツ振興もしかりだ。コンベンション協会を見本にする覚悟が行政に求められている。(中島 進)

若者流出は大きな課題だ

~学ぶところをどう増やせるか?~


ひと昔前、田舎の自治体は「雇用を増やす」がスローガンだった。一般の人は「田舎に帰っても仕事がない」が言い草だった。首長がハローワークと一緒に企業を訪ねて雇用を増やして下さいと頼んでいると聞いた。訪問された企業の社長は、ずーっと求人を出しているが人が来ないんです、と訴えたそうだ。有効求人倍率が1.5ていどもあるなど、雇用を増やす以前に、人手不足で経営がおかしくなるところが増えている。
ここ、周南地区は、全国の地方都市と同様、若者の流出が顕著だ。周南市は毎年千人も人口が減少している。若者は1度出てしまうとなかなか帰ってこない。特に女性の流出が激しい。なぜか、将来のために学びたい学校が少ないからだ。
今度、下松市に歯科衛生士の専門学校が進出する。若者を引き留めるのに役立つに違いない。特に女性が学ぶ場所の誕生は、最近では朗報だ。公立高校の統廃合が進んでいる。それに対して3市の取り組みは何もない。今こそ県に、統廃合受け入れの条件として、若者が地元に定着できる学科新設を訴えるべきだろう。市川光市長が提案したが、いま一つ県の動きがない。
最近、夜のコンビニエンスストアや居酒屋で顕著なのが、アジア系の留学生のアルバイトだ。留学生たちが、日本の若者に変わって活躍している。いずれ本国に帰る若者たちだ。居酒屋もそうだ。片言のベトナムからの留学生。ネパールからの留学生などで何とか経営を続けている。日本の若者が急激に減少している証拠だ。
高齢化が急速に進む地方都市の大きな課題は、看護師や介護士不足への対応だ。地域に学ぶところも少ないのに、どう他地区から若者を集めるか。立派な施設をどれだけ作っても、若者がいないことには宝の持ち腐れだ。
公民館もお年寄りのたまり場になっていないか。若者たちに利用してもらえる工夫をしているか。今こそ、若者定住をキーワードに、考えられるあらゆるメニューを考える時だ。
公立高校の入学試験が始まる。応募が多いのは圧倒的に資格が取得できる学科だ。普通科は軒並み定員ぎりぎりか、定員割れだ。なぜ大人たちは若者たちの要求に応えないのか。地元で学び、地元で働ける環境を作ることがどれだけ若者を救い、地域を救えるのか、明白な答えがあるのにだ。
大人たちに聞こう。周南地区に住んでいるが、農業の勉強はどこでできるんですか。調理師の勉強をしたいけどどうすればいいですか。美容師になりたいけど……ちゃんと答えられる大人はいるのか。(中島 進)

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