一言進言

ミーハーになった国会議員

カジノ、議員増で国が変わる?

西日本豪雨で中国地方は大打撃を受けたが、そのさなか、国会では参議院の定数を6人増やし、カジノ法案を強引に成立させた。人口減少で地方の将来は暗雲漂う中、参議院議員を増やす。地方議員のなり手も激減しているが、国会議員だけは増やす。こんな感覚の議員をいくら増やしても、地方が救われるとは思えない。感性が鈍くなっているとは思っていたが、ひどすぎる。増やせば地方創生の妙案でも浮かんでくるのだろうか。
カジノ法案に至っては、我が国をどんな国にしたいのか、全くわからなくなった。ラスベガスはじめ世界中にカジノがある。製紙会社の御曹司がカジノにはまって50億円負けたニュースは、そんなに古い話ではない。品がないにもほどがある。カジノで世界中から観光客を呼び込むそうだ。雇用を増やすとも言う。これ以上、人手不足を増やすと言う。和食が世界遺産に認定され、さすが日本と胸を張ったのもつかの間で、世界どこにでもある国になった。
今年は明治維新150年。欧米の圧力に屈することなく、植民地にならず独立国家を樹立した維新の志士たちが聞いたらどう思うだろうか。日本独自の精神と美学が今、世界で受け入れられている。和食が認められたのもその一つだ。日本酒がアメリカはじめ世界中で売れている。日本食レストランが急激に増えているからだ。
1億総ミーハーになったといつも書いているが、国会議員までがみんなミーハーになった。公明党までがミーハーになった。カジノ、カジノと浮かれている国会議員を子どもたちは尊敬できるだろうか。都合で定数を増やす国会議員を見て、立派と思うのだろうか。
残念ながら法案は成立した。過去そうであったように、数年後には国民の大多数は忘れてしまう。昔からあったかのように、当たり前になる。直接、生活に関係しないから特にそうだ。悪法も一度できるとそれが正義だ。たとえ政権が変わっても、動き出してしまったら廃案なんかできもしない。
こんな小さなローカル紙が嘆いても、大勢に影響はないが、それでも腹が収まらない。今大切なのは少子化対策だ、一票の格差ではない。議員の数を増やす理由はどこにもない。観光客を増やす目的はお金だけではない。日本の素晴らしさを知ってもらい、日本人の精神を世界に発信する機会を増やすためだ。美しい国・日本を作ると言ったのは、一体誰だったのか。カジノはその象徴なのか。(中島 進)

熊毛地区は光地区消防の管轄!

~周南市の対応に不備はなかったか~

世界中で天候異変が起こっている。そんな中、西日本豪雨が発生した。集中豪雨が頻繁に起こっていたが、広範囲な豪雨まで経験した。海水温度が上がって水蒸気が大気にたまり、一気に地上を襲うようになった。温暖化は確実に進み、これからは、観測史上初めての数値を、もっともっと経験するだろう。地方自治体にとっては、危機管理、防災対策は重要な課題になっている。
光市は特に被害も大きく、被災者にはかける言葉もない。ボランティアに行った人も多かったが、気の遠くなるような作業が続けられた。周南市も熊毛地区で1人が亡くなったが、田んぼなどが砂に埋まっている光景は胸が痛い。土砂を取り除く作業も、この暑さでは、体がぼろぼろになるだろう。
下松は笠戸島で土砂崩れで道路が寸断され、船での移動を強いられた。周南3市の床下、床上浸水は合計約510棟。後片付けは困難を極めている。それでも、広島、岡山に比べると被害は小さかった。被災地が元の生活に戻るのはほど遠い。ごみ処理だけでも終わりは見えない。光市では、旧さつき幼稚園の駐車場などがゴミの集積場になったが、すぐに満杯になったそうだ。
後処理が最優先だが、重要なのは、今回の災害対応の点検作業だ。不備はなかったか、万全な体制が取れたのか、検証が必要だ。特に災害対策本部を設置しなかった周南市は、細かい検証作業を要求されるだろう。死亡者まで出たのに、本部が設置されなかった理由を説明すべきだ。
島津前市長時代、広域消防提携が進んでいたが、木村市政になってご破算にした。熊毛地区は光市、周南市と田布施町で作る一部事務組合の光地区消防組合の管轄のままで、周南市との連絡体制に不備はなかったのか。災害対策本部もない周南市は光市や、下松市への応援はどうだったか。周南市が全職員を動員して、応援体制をしいてもよかったのではないか。周南市職員の相当数は下松市や光市在住だ。部長級の幹部も住んでいる。
周南市が、一体どれだけのことが出来たか。県の対応に合わせたと釈明でもしたら、周南市職員の感性は最悪だ。懸命に頑張った部署もある。議会も今回の災害を徹底的に検証すべきだ。市民の生活を守るのは公務員の最も大切な仕事だ。足りなかったところを謙虚に反省しよう。木村市長のリーダーシップが問われる。周ニャン市キャンペーン以上に。(中島 進)

お願いします木村市長様

~新庁舎完成を変換のチャンスに~

周南市の新庁舎が完成し、きょうから一部で業務も始まった。豪華な庁舎に市民も驚くだろう。何よりそこで働く職員たちも気持ちが高揚するだろう。新しいものはいいもんだ。最後の最後に、落札者が決まらないイタリア製家具でみそをつけたが、それだけこだわった建物のようだ。設計者は賞を狙っていると聞いた。総事業費も破格で、110億円を超す勢いだ。周南市民にとって、遜(そん)色ない建造物だ。
光市も庁舎を建て替える予定だ。こちらは今のところ概算で35億円のようだ。金額をあれこれ言うつもりはない。豪華だからいけないとも思わない。周南市は山口県の玄関口の一つだ。胸を張れる建造物でいい。問題は別だ。地方自治体の評価は庁舎の豪華さでは決して決まらない。みうらの元社長で相談役の三浦義孝さんが以前、社内報で書いたコラムは秀逸だった。静岡県の掛川市を訪れた時の体験談だ。
街の食堂で食事をしている掛川市民に聞いた。「掛川で誇れるものは何ですか?」。すると、何人もの人が「うちの市長ですよ」と答えたという。掛川城の復元で募金を始めようという時、市長が先頭に立ち、まず、市職員がこぞって募金を始めたそうだ。市長の目線の持ち方がわかるいい話だ。周南市野球場の改修の際、スポ少の子どもたちも含めて、多くの市民が募金を集めた。その後、ようやく市は改修へ重い腰を上げた。
全国で地震が多発している。防災拠点として、耐震がしっかりしている庁舎は必要だ。しかし、庁舎はそれだけではない。建て替えは市民サービスを大きく転換するチャンスだ。たらいまわし行政を撤廃し、職員の意識改革を起こす大きなチャンスだ。例えば夫を亡くした子どもを抱えた女性が、子ども手当の相談に来たらどうするか。国保の減免措置など、さまざまな制度の活用方法をどこで教えてくれるだろうか。住まいの問題も大きなテーマだ。
私の知る限り、今の周南市では、市営住宅は住宅課へ、国保は担当課へ、ほとんどは自分で探して訪ね歩くしかない。制度も知人に聞くしかない。障害者もそうだ。どんな制度があるか、自分で探すしかないのが現実だ。行政側から教えてくれるシステムはない。新庁舎建設を機会に、制度も含め、市役所内部を大きく変える機会へと変換したらどうだろうか。木村市長の腕の見せどころだ。
昔、どこかの市が「すぐやる課」というセクションを作って評判になった。櫛ケ浜駅のトイレの水洗化など、すぐに取り掛かれるようになるかもしれない。市民が本当に望んでいるのは、困った時に助けてくれる役所だ。お願いします、木村市長様。(中島 進)

18歳で国家体制を決める役割

~制服姿の成人式はどうなる?~

若者に限ったわけではないが、政治に関心を持たない人が増えた。先日の防府市長選挙も投票率46・68%と低調だった。市を二分する市長選でこの低さはどうだろうか。直接生活に直結する地方自治体の選挙とは思えない。年代別の投票数はわからないが、18歳から20歳までの若者たちは、おそらくもっと低かっただろう。
18歳からを成人とする民法改正案が今国会に提案され、衆議院で可決された。成立すれば2022年4月1日の施行という。各地の成人式も開催が問題になっている。受験生が対象に入り、式典どころではない。そもそもなぜ18歳を成人扱いにしたのか。選挙権だけでなく、ローンの契約など、多くの権利も与えることになる。高校生たちが権利を求めたわけではない。
高校では政治活動は禁止されている。なのに選挙権は与えると言う。学生運動が盛んな時、反戦高校生たちがヘルメットをかぶってデモをしていた。退学になる高校生がいた。学外でのデモ参加などは自由になるのだろうか。成人の定義を少々変えるのだろうか。稚拙な法律制定としか思えない。考え方が固まっていない。
酒やタバコはだめだ。18歳から働く若者は多い。社会人として納税もしているのに、会社の宴会に参加してもお酒はだめだ。成人式では「大人として責任を持てる人間として生きていきます」と宣言する。大人として、罪を犯しても平等に扱われる。容疑者として名前も公表される。
万引きしても、大人は名前が記事に出る。高校生で万引きして世間に公表されたら、その後の人生にどう影響するのだろうか。少年法という枠の中で守られていた犯罪の扱いも難しくなる。国家の体制を決める権利を与えるなら、義務も大人と同様に扱うべきなのか。ほとんどの子どもが高校に行く時代で、整理がつかないまま法案が通る。
一方で、大人の自覚のない人も目立っている。平気でうそを言い、公文書を勝手に書き換える人もいる。学生に犯罪もどきのことをさせる大人もいる。18歳に大人の自覚をと語ることのできる大人はどれだけいるのだろうか。高校の制服を着た若者が、これからは成人式で、成人の誓いを述べるのだろうか。彼ら、彼女らに大人の自覚を持ちなさいと言える社会を目指すのが、今の大人たちの義務だ。まずは義務を果たす努力をしよう。(中島 進)

欧米化進む大企業

~地域との関係希薄にならないか~

グローバル化の波は地方にも押し寄せ、いろんな面で体験するようになった。郊外に大手資本の店が乱立、小売業への影響はすさまじく、街中から店は消え、地域の商業地図は大きく塗り替えられた。電気店、ドラッグストアなど大手資本の進出で、地元店の多くは傘下に入ったり、買収や廃業を余儀なくされた。
大企業も大きく様変わりしてきた。創業200年を超す武田薬品工業の社長はフランス人。最近は外国の製薬会社買収で7兆円という話題で盛り上がっている。株価は6千円台から4千円台へと急落した。それより、光工場と地域との関係などは二の次という感じが強くなった。グローバル企業に光市の存在など目に入らないだろう。もはや日本の会社ではない。
日新製鋼は新日鉄住金の子会社となり、徳山鉄板からの歴史に終わりを告げようとしている。出光興産も上場の末、昭和シェルとの合併話で注目され、グローバルな会社に変身を遂げようとしている。外国資本に対抗した民族資本としての立場も消滅しようとしている。徳山が製油所発祥の地というのは死語になるかもしれない。東洋鋼鈑は来年4月、東洋製罐の完全子会社になる。
会社の歴史が消えることにちゅうちょしなくなった。世界経済の流れではあるが、社風も大きく変化する。出光の家族主義は日本的な伝統を残す貴重な存在だった。あれだけの会社で労働組合もないのは珍しかったが、今後は変わるかもしれない。多くの会社が欧米の合理主義に走りだした。中国資本の攻勢もすさまじい。いったい企業理念はどこに向かうのか。
何より心配なのが、地域とのつながりだ。歴史を捨て去るのと並行して、地域との関係が希薄にならないか、いや、すでに希薄になりつつあるのが気掛かりだ。どの企業も地域社会への貢献を大きく掲げていたが、世界に目を向けている企業に、地域社会の動向は取るに足らない事象として受け止められていないか心配だ。一部の企業は寄付金などの減額が始まっている。
企業からの市議会議員も激減してきた。地方政治への関心もグローバル化が理由かはわからないが、大きく減少してきた感じもする。投票率の低下に関係しているかも知れない。
企業城下町として発展してきた周南地区で、企業のグローバル化は確実に変化をもたらしている。各自治体も地場企業の育成にもっと力を入れないと、一気に空洞化が進む危険を抱えるかもしれない。難題だ。(中島 進)

高校がなくなる!

~無関心な自治体、政治家~

周南でも各市で市立幼稚園の統廃合が進むなど少子化の波は止まることを知らない。一昨年、県は高校の再配備計画を発表、高校関係者に衝撃が走った。対象になった12校のうち周南地域は熊毛北、華陵、南陽工、そしてすでに地元での説明会も終えた光丘の4校。分校も募集停止の対象に入っている。徳山の徳山北分校と鹿野分校だ。
中山間地区の小中学校はすでに統廃合され、人口減少は加速度を増した。それでも若者定住をと自治体は躍起になって移住者を募る。農業者は特に手厚く支援し、移住促進を図っている。学校はなくして、子育て世代を募る。数人の子どものために学校は運営できないと言うのなら、若者に移住を勧めるのはやめた方がいい。
親にとってその地域に子どもを行かせたい学校があるかどうかは大きな問題だ。通学圏内に選択肢が多いところを生活の根城にしたいと思うのは自然だ。高校は子どもの将来に関わる重要なポイントだ。進学か、就職かの別れ道でもある。
今回の高校統廃合が示されて一番驚いたのは、大人たちの無関心さだ。特に行政、政治家の無反応にはあきれてしまった。2年前、周南3市の市長の座談会で、市川光市長が地域として取り組もうと呼びかけたが、その後全く動きはない。県の仕事だが、対象は地域の子どもたちの将来だ。市議会も何ら反応がない。県議会議員も動かない。一体どういうことだろうか。
今年から全国的に高校生がどんと減少していく。いわゆる18年問題だ。いかに若者たちを地元に残していくか、今までとは違った取り組みをすべき時だ。高校の数も合理的に考えると減らすべきだろう。一方、高校教育の有り様を考え直すチャンスでもある。地域には、今後、深刻な人手不足が待っている。解消に向けて、高校の統廃合は最大のチャンスだ。どんな教育を求められているか、地域のニーズに合ったきめ細かさが必要だ。医療、福祉関係は、サービス業関連ではどうか。いくらでもニーズはある。
県は総花的な施策しかできない。各地域の自治体が、もっと細かい要望を出し、それを各地域の県議がつないでいくことが肝要だ。市議会も県の事業だからと敬遠せず、もっと論議して要望をまとめる作業が必要だ。今からでも遅くない。高校統廃合を機に、新しい、地域にあった高校教育とはどんなものか、知恵を出し合おう。これからの地域を担う若者たちのために。(中島 進)

耐えられない!真夏のくみ取り式トイレ

~大人たちの感性を磨こう~
20年前、中国を旅して何が困ったかと言えば、トイレ事情だった。扉がないとか、水が出ないとか、とにかく難儀した。においは尋常ではなく、鼻をつまんでしゃがんだ思い出は消えない。旅のトイレは特に印象に残る。全国に広がった道の駅はトイレを提供することから始まった。
13日の本紙で周南地区のJRの駅のトイレをレポートした。驚くことに周南市の櫛ケ浜駅のトイレだけ、いまだにくみ取り式だった。同駅は日常も通学や通勤で利用者が多いが、とりわけ、土、日曜にはキリンビバレッジ周南総合スポーツセンターを目指して学生たちや一般も多くの人が利用する。この時代、くみ取り式のトイレは、かなりの過疎地にでも行かないと経験できない。
我が社も同じ櫛浜地区に事務所を構える。下水道網は完備された地域だ。徳山駅ビルのトイレもトイレットペーパーがないと、何度も書いてようやく実現した。JRの不親切さは今さらながらで、聞く耳などないのはわかっている。下松市はすべて市が管理して水洗、洋式にした。JRが管理している駅は、徳山駅を除いてすべて和式だ。
中高生の利用が圧倒的に多いと思われる同駅のトイレ問題は、単に管理がどうのという問題ではない。大人たちの思いやりの問題だ。愛する故郷で、いつも利用するトイレがくみ取り式のままで、子どもたちは超豪華な新庁舎をどう感じるか。おしゃれな駅ビルを見てどう思うか。感性の鈍さにがっかりする。100億、200億円かけるが、その1%でもあれば十分だ。いや、1%もいらない。せめて水洗にできる。
トイレはよそからきた子どもたちが使うことも多い。スポーツで多くの中高生を集める施設がせっかくあるのに、その入り口のトイレがくみ取り式では、イメージガタ落ちは間違いない。若者流出が激しいが、大人たちの感覚の鈍さは、歯止めをかけるどころではない。行政の本来の目的は市民が快適に暮らせる空間を作ることだ。
市長はじめ、市幹部は真夏のくみ取り式トイレを経験してみればいい。下から上がるにおいの強烈さは、昔さんざん経験したからわかる。もっとも、JRに一番の責任はある。でも、金もうけに突っ走るJRに期待はできない。大人たちよ、もう一度くみ取り式を利用している子どもたちを頭に浮かばせよう。ぽっちゃんトイレを。(中島 進)

運転手はもういらない

~IT、AIに席巻される世の中に~

以前、周南市が電子決済を進めると言うので猛反対したことがあった。役所は印鑑社会だ。1枚の書類に、係長、課長、次長、部長と印鑑を集めるのが職員の仕事だった。それをパソコンの画面上ですべてすまそうと言う。実に効率的で、合理的な方法だと言われた。確かにそうだ。早いし、無駄がなくなる。だが、私は猛反対した。
今、周南市は千数百人の大所帯。異動も頻繁にされ、部下と上司、同僚などとの関係が希薄になった。確かに印鑑書類は非合理的だが、そうでもしないと、部下の顔色を見て健康状態や、精神状態を察することもできない。書類以上のことが聞けない。パソコンの画面上のやり取りだけでことを進める怖さは、想像するに、人間性を捨てるようなものだ。
先輩経営者が最近、AI(人工知能)に関する本を十数冊読んだと話していた。これからの世の中がどう変化するのか、今までの常識を覆すような時代の到来も意外に近いかもしれないと予測する。AIでの自動運転の車が初めて人間を死亡させたと聞いた。公道での実験でだ。ある会社は、面接でAIを使っているらしい。採用かどうかの判断を人工知能にまかせるそうだ。チェスも人工知能が世界一だ。
ITで世界が急速に変わった。アメリカの大統領選挙は膨大な個人情報が勝負を左右するようになった。一体この先、どんな世界になるのか。手塚治虫が描いた未来は、はや現実になった。ホテルの受付もロボットがやる時代、どこまで人間は疎外されていくのか。自動運転の車が一般的になるのも数年後かも知れない。
科学の進化は人々を幸せにするためと信じていたら、一部企業の金もうけのためだったと気づいたのは学生時代だった。学生運動の原点はそこだった。金持ちは昔ながらの材料で食事し、貧乏人は添加物だらけの廉価な食料しか食べられなかった。これからの時代はそれがもっと激しくなりそうだ。あらゆる分野で人工知能が使われるだろう。自動運転が最たるものだ。世界中から運転手と言う職業が奪われる。対面式の販売から、ネット販売に移行したのも、わずか数年だ。10年そこそこで多くの公衆電話が消滅した。
時代の流れと言ってしまえばそれまでだが、これからの若者たちが心配だ。IT、AIがらみの一部企業が世界を席巻、ほとんどの凡人は右往左往するような世界にならねばいい。今の若者たちはネット社会に翻弄され、化け物のようなものに支配されつつある。
規制せよとの声も出始めたが、金もうけの渦の中では勝てはしまい。新聞など読まなくても生活はできる。ネットで調べればすむと思っている。情報の正しさが問題でなくなった。せめてネット上でちゃんとした新聞を、本を、読んでほしいものだ。感性を磨いてほしいものだ。
面接官の感性すら信用しない時代だが、人間の見る目や、聞く耳を大切にしてほしいものだ。新聞を発行し続けることも難しい時代だが、こういう時代だからこそ、新聞は必要になる。(中島 進)

下松市議選も高齢化

~人材育成に取り組もう~
9回裏2死からの逆転ホームランのように選挙戦になった。人口5万7千人超の下松市で、直前まで市議会議員選挙の無投票が確実視されていた。地方自治への関心が薄くなってはきているが、これほど低調なのも珍しい。4年前もぎりぎりで定数を超える候補者が出現、無投票が避けられた。市民の間から定数を減らせの声が上がるのも無理はない。
なぜ議員になろうとする人が少ないのか。報酬が安く、生活するのが困難だとの声もある。市政が安定していて、論争するテーマがないともいわれるが、論点はいくらでもある。道路行政も一部に偏っていてまだ不十分だし、子育て環境も十分とは言えない。議会が行政の監視役としての役割をしっかり果たしているか。あまりにも与党的になってはいないか。
今回の候補者で一番若いのが47歳だ。せめて30歳台が1人、2人いてもおかしくない。若者がこれほど地方に関心を持てない時代なのか。青年会議所や商工会議所青年部など、地域に関わる活動をしている若者は少なくない。郷土愛もまだまだ廃れていない。ここは一度、行政と議会が一緒に、若者への政治参加をどうしたら増やすことができるか、真剣に考える時だろう。県議会議員も含めてだ。
市議会議員は団体や地域、企業を背景に持つ人が多い。しかし、世代を代表している側面もある。若い世代を背負う議員が1人もいないのは不幸だ。若者対策を年寄りたちが議論しても、良い結果が出るとは思えない。下松市だけの問題ではない。投票率の低下など、地方の危機的側面でもある。新聞など読まないとか、ネット社会になって、地域に目を向けない。足元の事柄に無関心な若者の対策は急務だ。
ひと昔前は各地に青年団があって、地域のことを勉強し、活動して若者が政治家になった。河村和登元周南市長や故藤井真県議など、地方を担った青年団出身者が多かった。選管による青年法政大学という勉強会もあった。
青年団が姿を消したのはいつだったか。コミュニティー組織はできたが、若者が少なくなって育てる環境がなくなった。官民あげて若者を育てる組織ができないものか。人材育成は地方の根幹を作る。(中島 進)

効果抜群なのか?

「しゅうニャン市」キャンペーン継続
若手芸人たちは名前を売るために何でもする。熱湯に飛び込むし、危険もいとわない。必死だ。多少売れても次々に新人が出る。勝ち残る芸人は一握りだ。それなりの芸を持ってないと生き残れない。鍛えられた芸がいる。
特産品もそうだ。全国に数100万種類はある。その中でブランド化され、恒常的に人気のある商品は数少ない。近くでは宮島のもみじまんじゅう、大分の鶏の空揚げ、博多の辛子明太子など、工夫を重ね、永年培った味と信用は1、2年でできるものではない。ちょっとしたことで有名になってもすぐ忘れられる。
「しゅうニャン市」キャンペーンにまた予算がついた。結局、市職員の人件費も加算すると、7千万円か8千万円か、いや、もっとかもしれない。少し認知度が上がったそうだ。実にうれしいことだ。周南市に住んで良かった。全国に名前が知られ、子どもたちも胸を張って生きていける。鹿児島に行っても、北海道に行っても、周南市から来ましたと言えば、「えーっ!あのしゅうニャン市からですか」と言ってもらえる。
3年間限定ではすぐ忘れられる。どうせなら恒久的にキャンペーンを続けていけばいい。全国の市町村があの手この手で知名度をアップさせる競争をしている。ゆるキャラ競争も激しい。カーリングで北見市は一躍有名になり、特産品も飛ぶように売れているそうだ。
「しゅうニャン市」キャンペーンは、ふるさと納税を増やすのが目的の一つらしい。ならば、もっと徹底的にお金をかければよい。そんなに効果的な事業ならだ。思いつきならとんでもないことだ。
シティープロモーションという実態がわからない言葉が一人歩きしている。市名をブランド化するのか、市の何を売るためのプロモーションなのか。市職員は皆、理解しているのか。予算を難なく通した市議会議員の皆さんは当然よく理解してのことだろう。1億円近いお金を費やす企画がいかにも簡単に通過した。きっと見合った効果を良しと考えているのだろう。立派な議員の皆さんが、まさか税金の無駄遣いなど許可するわけはない。
先日、徳山駅のホームで小学生の女の子が看板を見て、「あっ!しゅうにゃんしだ!」と指差して笑っていた。父親らしき人は、まぁという顔をして、急いで子どもの手を引いて去って行った。ある転勤族の証券マンが、真顔で「周南市はしゅうにゃんしと読むんですか」と聞いてきた。確かに効果はある。もう一度市職員に聞こう。「周南市の誇れるものは何ですか」。(中島 進)

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