コラム・エッセイ
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続々周南新百景 / 再 周南新百景 佐森芳夫(画家)
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(83)黄金虫とオルレア
家庭菜園を始めてから、暦をよく見るようになった。暦について詳しいわけでも、必要があるわけでもないが、古くから伝わっている慣習について少なからず興味を持っ...
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(82)シャリンバイ(車輪梅)
車輪梅と書いてシャリンバイと読む。誰が名付けたかは明らかではないが、名前の由来を知ればそれなりに納得できる。たとえば車輪の名前は、枝葉がついている様子が...
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(81)スイバ(酸葉)
なつかしい味がした。畑のそばに生えている野草の葉っぱを引きちぎり、口に入れて噛みくだくと、口いっぱいに酸っぱさが広がった。それは、子どものころを思い出さ...
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(80)山藤の花
天地返しをするためにスコップで土を掘り返していると、地下20センチあたりから多くの黒い根が出てきた。近くに樹木があるわけでもなく、土中に生きた根があるこ...
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(79)花吹雪(はなふぶき)
満開の桜の花が、突然、吹きぬけていった風に空高く舞いあがった。その余りにも美しく、余りにも見事な花吹雪の中で、ただただ、なすすべもなく立ち尽くすだけであ...
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(78)花束
花束をもらった。それは、今までもらったことのあるどの花束よりも、強く心を打たれる花束であった。おそらく花の一つ一つに、若い人たちの気持ちとエネルギーが込...
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(77)桜と菜の花
時折り、窓ガラスを激しく打ちつける雨音で目を覚ました。深夜から降り始めた弱い雨が、明け方近くになって強い雨足に変わったのであろう。そこに強い風が吹き始めて、大...
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(76)カワウ(河鵜)
偶然通りかかった河口近くで、奇妙な光景を目にした。それは一羽の鳥が、中州の地面で羽を大きく広げているところであった。長くは続かなかったが、それでも同じ動...
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(75)あんず(杏)の花
周南市浦山。国道2号線のそばに、満開に咲いたあんずの花がひと際目を引く場所がある。その見上げるほどの巨木の根元には、「妙見」の文字が読み取れる石柱がわず...
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(74)樸玉の滝(あらたまのたき)
林道とは名ばかりで、すぐに深い藪(やぶ)に行く手を阻まれた。県道には、「林道戻路川久保線」の道標が建てられていたはずであるが、かなり長い間管理もされず放...
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(73)誰そ彼時(たそかれどき)
たそかれどき(誰そ彼時)の空に、夕日が沈んでいた。立ち止まって眺めていると、夕日はわずか数分でビルの谷間に消えていった。その光景は、何度見ても心を打たれ...
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(72)彼は誰時(かわたれどき)
やはり、2月には梅の花がふさわしい。各地で咲いている梅の花を見てそう思う。それは、人々が寒さで震える中でも、時には雪に埋もれながら、やがて来る春を一足...
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(71)アオサギ(蒼鷺)
如月(きさらぎ)にしては暖かすぎる陽ざしが、風のない静かな川面に降り注いでいた。せき止められた水面では、まるで季節の移ろいを楽しむかのように多くの水鳥が...
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(70)霜の花
今年の節分は、2月2日であった。昔から節分の豆まきの日といえば2月3日に決まっていると固く信じていた者にとっては、まさに青天の霹靂(せいてんのへきれき)...
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(69)マガモ(真鴨)
真冬の水辺では、多くの野鳥を観察することができる。近くに川や池があれば、わざわざ遠くまで出かける必要はないので、散歩がてら立ち寄ってみることをぜひお勧め...
